踊る窓に見る阿呆

naom2006-05-06

フンデルトヴァッサー展に行った。
絵画と建築模型の展示でかなり見ごたえがあり。
以前見た建築写真では、ドギツイ色使いと歪んだ床・たまねぎ屋根の「サイケおとぎ話の城」で、人を一歩引かせるようなモノという印象だったが、今回絵画や建築模型を見て、実は人間の営みや感情を大切にしていて、意外とヒューマンスケールなんだなぁと、少し安心した。


中でも印象に残ったのは『窓』
絵画・建築共とても多様な窓があり、よくそこに人の顔が描かれている。
私も団地窓など、その中の人々の生活が垣間見えるようで眺めるのが好きだが、それと同じ感覚を受けた。
建築模型も良く見ると、ヨーロッパの古いアパルトマンでよく見るような普通サイズの窓や鉄の手すりなどが使われ、色彩を別にすると懐かしい感じさえした。
さらに見ていると、生き物の巣に見えてきて、いろんな人が住んでそうやなぁ、いや、動物やモンスターや妖精なんかも普通に生活してそうやなぁ・・・と想像して楽しかった。


パンフには「近代合理主義に対する強烈な批判」と「自然回帰の願望」とあるが、簡単な二元論や「中間」でなく、両者を緩衝材無しに突合せ、こねまわし「ほらどうだ!」と地球のテッペンにドーンと置かれたような強い強いメッセージに怯みつつも、空想で遊んだ展覧会でした。


  「窓は踊るべきである」  by フンデルトヴァッサー